NY オペラ・バレエ鑑賞記
ニューヨークで見たオペラ・バレエ公演を中心に、自分が感じたことを記録するブログです。
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Author: noride
オペラは98〜99年シーズンのMETのLucia、バレエは同シーズンのNYCBのくるみ割り、が初めて見た公演。
99年〜2002年にいたロンドンで、オペラ、バレエに完全にはまり、大陸国のオペラハウスにも足を伸ばす等、散財の道に...

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"Russian Roots" New York City Ballet
5月9日(金) 「ロシア起源」(オール・ロビンス・プロ) ニュー・ヨーク・シティ・バレエ
Andantino: Meagan Fairchild、Joaquin De Luz Piano Solo: Alan Moverman
Opus 19/ The Dreamer: Wendy Whelan、Gonzalo Garcia Violin: Erin Walters
Piano Pieces: Antonio Carmena、Sara Mearns & Jared Angle、Abi Stafford & Amar Ramasar、Kaitlyn Gilliand & Stephen Hanna Pianist: Susan Walters
Les Noces: The Bride: Tiler Peck、The Groom: Adam Hendrickson、Matchmakers: Georgina Pazcoguin、Benjamin Millepied

今日の4作品はロシア人作曲家の曲に振付けているので、Russian Rootsのタイトルとしたみたいです。また、一応、ロビンス(本名Jerome Wilson Rabinowitz)は1918年、ニューヨークのJewish Hospitalで、ロシア系ユダヤ人の両親の下、生まれています。6歳の夏、ロシアの父親の故郷に、母親に連れていってもらったことがあり、良い思い出になっていたという事実もあるそうです。
ただ、ロビンス自身は、自分がロシア系であるということをどれほど意識していたのでしょう?ユダヤ人であることの意識は強烈で、West Side Storyも、最初の案では、Mariaをユダヤ系の設定にしようと考えていたと聞いたことはありますが。

今日の公演を見終わっての正直な感想は、この4作品、ロビンスの中では、それほど良い出来ではない、というものでした。

Andantino (1981) チャイコフスキー ピアノ協奏曲第一番第2楽章
振付が曲調に良くあったPDDで、Fairchildと De Luzの息の合い方もばっちりでした。ただ、それ以上の感想はありません。自分でも驚くくらい、記憶に残っていません。

Opus 19/ The Dreamer(1979) プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第一番
もともとはバリシニコフに振付けられた作品ですが、彼のテクニックを見せ付けるような場面はそれほどありませんでした。見せ場は、男性よりも、女性主役、それより群舞の方にある作品のように思います。非常に解釈の微妙な言葉ですが、ロビンスは作品のなかに"community"を作り出すことにいつもこだわっていたとのことです。この作品のメインは、男性主役が昔その中に自分が身を置いていたcommunityを回想する様を、女性とのPDD、男女12人の群舞の踊りを通して表現することにおかれているのではないかと思えました。

Piano Pieces チャイコフスキー
チャイコフスキーの15のピアノ小品に振付けられた作品。(多分、小金稼ぎのために)気軽に作曲した、様々なスタイルを織り込んだ短いピアノ作品群に振付けているので、このバレエもあっという間に流れていった作品でした。最初に群舞が登場し、ロシアの農民風踊りを踊ります。その後、ソロとPDDが続き、最後は全員で、これもロシア風の踊りで終わります。

今日はMearnsとGilliandが良かったです。Mearnsは、今シーズン、役への集中度合いが本当にこちらに伝わってきます。乗っているようです。キーロフ公演のGoncharなみに働かされていますが、ここまで緊張感は途切れていないようです。また、NYCBにはスタイルの良いバレリーナが多いですが、Gilliandは格段にスタイルが良いです。ゆったりとした3番目のPDDで、そのスタイルの良さを十二分に活かしていました。相手役のHannaとの釣合いが良かったのも、プラスになっていました。

Les Noces: ストラヴィンスキー
今回の再演は気合が入っています。65年のABTでの初演と同様、4台のピアノ、6人のパーカッショニスト、4人の歌手、フルのコーラス団員が舞台上で演奏します。惜しむらくは、その迫真の演奏に、ロビンスの振付は押され気味でした。

作品の細部は全く覚えていませんが、「原始的で」、無骨な振りが、ストラヴィンスキーの音楽とあいまって、ものすごいインパクトを生み出していたRoyal BalletのNijinska版には、かなり劣る出来のように思います。Dybbukもそうですが、重い作品は彼の振付スタイルには合っていないようです。

このロビンス版の最後では、中央の台上で花嫁・花婿が抱き合っていて、その周りに置かれた4つのベンチに座る村人が順々に頭を下げていくのですが、最後、台の右側に置かれたベンチの村人だけ、カップルに向かって横に頭を傾けて終わります。ロビンスらしい、ユーモアというか、肩すかしなのですが、この作品の最後にふさわしいのか、ちょっと疑問に感じました。

<写真 Paul Kolnik>
Les Noces

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